- LINEを使ったマーケティングの効果が今ひとつ…
- メッセージの開封率やクリック率を上げたい
- どんな内容が効果的なのかわからない
LINEビジネスアカウントを運用する中で、こんな悩みを抱えていませんか?
そんな悩みを解決する強力なツールが、「LINE公式アカウントのA/Bテスト機能」です。
この記事では、A/Bテスト機能の使い方や注意点、効果的なテスト方法について詳しく解説します。
メッセージの配信順序や配信フォーマット、視覚要素の選び方、など具体的な検証ポイントも合わせてご紹介します。
この記事を読むことで、LINEを活用した集客・売上獲得を大幅に向上させるヒントが得られますよ!
広告効果改善の王道!A/Bテストとは?
マーケティングでは、配信効果を高めるために様々な方法が用いられています。
その中でも王道が「A/Bテスト」です。
A/Bテストとは、異なる内容を持つ複数の素材を用意し、ユーザーをランダムに分けたグループにそれぞれ配信する方法です。
この手法が人気の理由は、「取り組みやすさ」です。
2パターンを同条件下で配信するだけで、実施にあたり特別な機能は不要です。
また同条件化で比較ができるため良し悪しの判断が容易です。
A/Bテストを通じて効果的なパターンが見つかった場合、その知見を次回の配信に取り入れることで、広告配信の質を着実に高めることができます。
身近な例では、以下のような活用方法が考えられます。
- メールの件名の書き方を変える
- ウェブサイトのボタンの色や位置を調整する
- 商品説明の文章を変更する
このようにA/Bテストは、小さな修正から大幅な効果改善を導く力を秘めており、広告効果を高める上で、必要不可欠な手法となっています。
特にアパレル・小売などのECサイトでは、A/Bテストが盛んに行われており、注文ボタンの配色や商品画像など、購入に大きな影響を与える要素を重点的に実施される事例が多いです。
これが無料!?LINE公式アカウントのA/Bテスト機能とは?
LINE公式アカウントには、A/Bテスト機能が標準搭載されており、日々のメッセージ配信で手軽に利用することが出来ます。
ここからはその機能について、詳しくご紹介します。
LINE公式アカウントのA/Bテスト機能
A/Bテスト機能はLINE公式アカウントの標準機能で、契約プランに関わらず無料で利用可能です。
これを活用すると異なる内容のメッセージを同時に配信でき、手軽にAB検証が出来ます。
この機能の最大の魅力はユーザーの反応を見てから残りの人に送れる点です。
つまり、配信内容のテストマーケティングが出来るということです。
- AとBどっちが良いんだろう?
- 思い切って決断して、大ハズレしたらどうしよう…
こんな不安を解消できます。
例えば、こんな使い方ができます。
- 紹介する商品を変えて、どれがクリック率が高いか検証する
- クーポンの内容を変えて、どちらの閲覧数が多いか検証する
- 商品画像を種類を変えて、どれがクリック率が高いか検証する
A/Bテスト機能を活用することで、少人数に配信することで事前に配信パターンの良し悪しを測ることができます。
その結果、直感で選択した内容が大外れして、広告予算を無駄にしてしまう事態を未然に防ぐことが出来ます。
またA/Bテストを日常的に行っていくことで、良い配信の傾向が掴むことができ、配信の効率化に繋がります。
このようにA/Bテスト機能は、配信効果を高める上で心強い機能となっています。
A/Bテスト機能の設定方法
ここからは実際の設定方法についてご紹介します。
新しいメッセージを作成
「メッセージを作成」ページに行き、「高度な設定」の「A/Bテストを作成」にチェックを入れる。
※LINE公式アカウント公式サイトより引用
①テスト名を設定
これは管理用なので、ユーザーには表示されません。
②テスト配信を対象の割合を設定
ターゲットリーチのうち、何%をテスト配信対象者とするかを設定します。
ここで設定した割合を母数として、それぞれのパターンに分割しテスト配信を実施します。
③配信対象者数を確認
ターゲットリーチを②で設定した割合で算出したユーザーが、A/Bテストの配信母数となります。
この母数に対して、各バリエーションごとの配信数を均等に設定します。
バリエーションを作成
※LINE公式アカウント公式サイトより引用
①バリエーションを追加
検証を実施するためのメッセージ(=バリエーション)を作成します。
初期設定では、AとBのみですが、「バリエーションを追加」を選択することで最大4つまで作成可能です。
②バリエーション毎のメッセージを作成
タブによってバリエーションを切り替えます。
「▼」を選択することで、複製や削除が可能です。
③バリエーション名を設定
バリエーション名は管理用で、ユーザーには表示されません。
④メッセージの詳細を作成
通常の配信同様にリッチメッセージやクーポン、動画等が設定可能です。
⑤吹き出しの追加
通常の配信同要に最大3吹き出しまで設定可能です。
A/Bテスト結果の分析方法
実施後は配信結果を確認しましょう。
以下の手順で、テストの成果を簡単に見ることができます。
※LINE公式アカウント公式サイトより引用
結果の確認方法
- 「分析」を選択。
- 「メッセージ配信」を選択。
- 「高度な設定」に「A/Bテスト」の表示がある該当する配信を選択。
この画面では、各バリエーションの実績を比べることができます。
メッセージタイトルの検証を行った場合は「開封率」、メッセージの中身の場合は「クリックユーザー」を確認しましょう。
/
ここからはLINE公式アカウントのA/Bテスト機能の本領発揮です!
\
最も効果の高いバリエーションを事前に設定した配信対象を除くユーザーにワンタップで配信できます。
有効期限はテスト実施から3日間となっておりますので、ご注意ください。
期限を過ぎると、配信ボタンが押せなくなります。
このように複数バリエーションを同時に配信し、良し悪しを判断した上で本番配信を実施出来る点がLINE公式アカウントのA/Bテストの最大の魅力です。
積極的に活用することで、配信予算の節約やスピーディな効果改善が可能になります。
A/Bテストを実施する際の注意点
活用メリットが豊富なA/Bテスト機能ですが、利用にあたっていくつか制約条件があります。
ここでは主な事項を詳しくご説明します。
ターゲットリーチが5000人以上でしか使えない
A/Bテスト機能を使うには、5,000人以上のターゲットリーチが必要です。
非常に魅力的な機能ですが、実は利用できるアカウントは限られています。
ターゲットリーチとは、メッセージを実際に配信出来る人数です。
明確な定義は非公開ですが、友だちからブロックもしくはみなし属性が不明なユーザーを除いたユーザーと言われています。
この制約は「検証結果の信頼性を確保する」ことが目的と考えられます。
検証結果の信頼性を高めるためには、一定以上のサンプル数が必要です。
それはサンプル数が多いほど、結果の誤差が小さくなるためです。
つまり配信対象者(=サンプル数)が多いほど、各バリエーションの実力の誤差が小さくなり検証結果の信頼性が高まります。
そういった背景から、LINE公式アカウントのA/Bテスト機能の利用に際して、ターゲットリーチ数の下減が設けられているのでしょう。
スマホからは利用できない
A/Bテスト機能を使用する際は、PCで管理画面にアクセスする必要があります。
LINE公式アカウントには、スマホアプリがあり、チャット機能や基本的なメッセージ配信はアプリ上で利用することができます。
しかしA/Bテスト機能を活用する際は、パソコンでの操作が必要です。
オーディエンスの設定が出来ない
少し上級者向けの内容になりますが、LINE公式アカウントのA/Bテストではオーディエンスの設定が出来ません。
オーディエンスとは、ユーザーの行動履歴に基づいてターゲティング出来る機能です。
活用することで、過去にメッセージを開封したユーザー、特定のリンクをクリックしたユーザーなど、より興味関心の高いユーザーにメッセージを配信することができます。
しかしA/Bテスト機能では、このオーディエンスを設定することができず、みなし属性でのターゲティングのみとなります。
具体例を以下に示します。
- 「20代以上×男性」に対してA/Bテストを実施。
- 「20代以上×男性×友だち期間90日未満」に対してA/Bテストを実施。
- 「◯/◯日配信を開封×男性」に対してA/Bテストを実施。
- 「◯/◯日配信の1吹き出し目のリンクをクリック×男性」に対してA/Bテストを実施。
A/Bテスト機能のベビーユーザーである身として、今後オーディエンスと併用した利用ができるよう今後のアップデートに期待しています。
リッチメニューのテストは出来ない
残念ながら、A/Bテスト機能ではリッチメニューの検証が出来ません。
検証対象は、メッセージ配信のみとなっています。
リッチメニューは常時表示となっており、例外はありますが設定できるのは1種類のみとなっております。
そのため、複数パターンを同時に表示することが出来ません。
しかし以下2つの方法で、リッチメニューの検証を実施することが出来ます。
解決法①:表示期間を区切り、2パターンを配信する。
1週間や一ヶ月でリッチメニューを切り替えることで、2つのリッチメニューの良し悪しを比較することが出来ます。
しかし時期的要因や、配信するメッセージによる影響をうけるためあくまでも参考値となる点をご了承ください。
解決法②:拡張ツールを導入する
LINEのAPIを活用した拡張ツールを導入することで、リッチメニューのA/Bテストが可能です。
導入するツールにもよりますが、配信対象を指定して複数のリッチメニューを並走させることが可能です。
配信対象の条件を合わせた上で、異なるリッチメニューを配信することでA/Bテストが可能になります。
成功の秘訣!A/Bテストの検証ポイント
LINE公式アカウントでのA/Bテストを実施する際は、コツがあります。
それは配信効果への影響度が大きい要素から実施することです。
影響度の高い項目を優先的に実施することで、A/Bテストによる配信効果改善をスピーディに行うことができるためです。
ここでは普段意識している検証項目についてご紹介します。
実施する際の参考になれば幸いです。
メッセージの配信位置
同じ内容でも、配信位置によって効果は大きく変わります。
特にLINE公式アカウントでは、1吹き出し目(一番下)が最もクリック率が高くなります。
そのため、最も反応が得られそうなメッセージを3番目に配置することで、クリック率を高めることができます。
ぜひ同じメッセージを異なる順番で、配信しその効果差を実感してみてください。
メッセージのフォーマット
配信するメッセージタイプも配信効果への影響が大きいです。
例えば、リッチメッセージとカードタイプメッセージでは効果が異なる可能性があります。
人気アイテムをリッチメッセージで一度に訴求するのか、カードタイプメッセージを活用し商品を個別に紹介するのか。
同じ配信内容であっても、見せ方次第で配信効果を高めることが可能です。
ぜひ様々なフォーマットを活用して、勝ちパターンを見つけてください!
視覚的要素(画像・動画)
掲載するメニューや動画構成も、配信効果は大きく異なります。
画像を変更しただけで、クリック率が2~3倍変わった事例もあり、たかが画像と思わず様々な画像で検証してみてください!
また画像の変更は、手間が少ないため取組みやすい点も魅力です。
ぜひ積極的に検証を行ってみてくださいね!
まとめ
LINE公式アカウントのA/Bテスト機能は、メッセージ配信の効果を高める強力なツールです。
テストの対象や実施方法に制限はありますが、メッセージの順序、配信フォーマット、視覚要素などを工夫することで、開封率やクリック率を大幅に改善できます。
一方で、5,000人以上のターゲットリーチが必要なことや、リッチメニューのテストができないなどの制約もあります。
これらの制限を理解した上で、継続的にテストと改善を重ねることが重要です。
効果的なLINE運用を実現するには、ユーザーの反応を細かく分析し、最適な配信戦略を見出していくことが欠かせません。
「LINE運用は、一夜にしてならず」
これはこれまで50社以上のアカウントに携わって得た教訓です。
しかし正しい知識と、たゆまぬ努力で確実に配信効果を高めることも学びました。
ぜひA/Bテストを活用し、コツコツを改善を重ねることで配信効果を高めてくださいね!
もっとLINE集客について知りたい!
そんな方はぜひ私の書籍もご覧ください!
ブログ限定で、まえがきを無料公開しておりますので、少しでも気になって方は読んでみてくださいね!